BUSINESS STRATEGY FOR AN OPERATING COMPANY
オペレーションカンパニーを目指す成長戦略

1.はじめに

NJSは、1951年創業の水と環境のコンサルティングとソフトウェアの会社です。パーパスは「健全な水と環境を次世代に引き継ぐ」であり、水と環境のサービスにより豊かで安全な社会を創造することをミッションとしています。

今日、上下水道事業は建設の時代から管理の時代となり、機能やサービスの持続と事業の効率化が大きな課題となっています。この中で事業運営に民間企業を活用するPPP/PFIも広がっています。民間企業も公共事業の担い手として役割を果たす時代となりつつあります。こうした事業環境の変化に積極的に対応し企業価値の向上を図ることを目的として「オペレーションカンパニーを目指す成長戦略」を策定しました。多くのステークホルダーの皆様のご理解とご支援をお願いするものです。

2.水と環境の事業環境

今日の水と環境の事業環境の特徴は、社会課題の増大、事業課題の顕在化、これら課題に対応していくことが新しいトレンドということができます。社会課題では、気候変動、自然災害の激化、人口減少、天然資源の枯渇が進行しており、水と環境の事業についても対応を求められています。また事業自体の課題も、人口減少に伴う使用料収入減少、自治体職員の不足、インフラの老朽化が顕在化しており、地域との連携も重要な課題となっています。

これらの課題に対応しながら事業の持続可能性を高める手法としてウォーターPPPが打ち出されました。ウォーターPPPは、政府が新しい資本主義の中核となる、官民連携の柱に位置づけたPPP/PFIを水分野で促進する事業手法であり、事業運営に民間のリソースを活用し、社会課題への対応と事業の持続性向上を図るものです。事業運営というマーケットの創出である一方、民間企業の役割や責任も重くなり高いレベルの運営スキルや人材の確保が必要になります。ウォーターPPPの政府の実施目標は、2031年までに水道100件、下水道100件、工業用水25件です。

3.NJSの成長ビジョン

NJSは事業環境の変化やウォーターPPPなどのトレンドをビジネスの機会と捉え、積極的な取組みを通じて企業成長を実現します。

新しい事業環境においては、社会課題の対応や課題解決のための技術やサービスの提供だけでなく、事業運営の担い手となり課題解決の成果を出すことが求められます。より主体的な意識と責任が必要になり、より実践的で実効性の高い技術やシステムが必要になります。ウォーターPPPを通じて事業運営を担うビジネスを推進することは、ビジネスを拡大するだけでなく、人材のエンゲージメントを高め、技術やシステムをレベルアップする原動力となります。

以上を踏まえ、NJSの成長ビジョンは次のとおりとします。

① ビジネスの拡大、人材育成、技術の強化を目的として、ウォーターPPPなどの事業運営を担う業務(オペレーションビジネス)を積極的に拡大する

② オペレーションビジネスの拡大を通じて、事業運営の担い手の機能を核とした「オペレーションカンパニー」を目指す

③ オペレーションカンパニーの取組みを通じて、管理・更新一体マネジメント、雨水・災害対策、劣化対策、エネルギー対策、地域連携などを推進する

④ これにより、健全な水と環境の保全と創造、持続可能な事業の構築、カーボンニュートラルの推進、安全で活力ある地域づくりを推進する

⑤ 同時に、ビジネス領域の拡大、企業収益の増大、人材・技術・顧客基盤の強化を実現し、企業価値の向上を図る

オペレーションカンパニーの創造に向けた成長ビジョン

4.事業戦略

オペレーションカンパニーの創造に向けてNJSのリソース(人材、技術、実績)とビジネス(コンサルティング、ソフトウェア、オペレーション、インスペクション、グローバル)を活用し強化するとともにインテグレーションを推進します。

成長ビジョンの実現に向けた事業戦略は、次のとおりです。

◆ NJSのリソースやビジネスの活用により事業運営を担うオペレーションビジネスの拡大を図る

◆ 事業運営の担い手として必要なビジネス領域を拡大するとともにビジネスの役割と責任の増大に対応してビジネス体制の強化を図る

◆ 事業運営の実践的取組みを通じて技術やシステムの強化を図り、オペレーションの改善に向けたインテグレーションを推進する

◆ ビジネス領域の拡大に対応した多様な人材の確保と育成を推進する

◆ 事業運営の担い手として主体的に思考し行動する「プロアクティブ集団」に転換しエンゲージメントの向上を図る

◆ 顧客自治体に対する積極的なビジネス提案とコミュニケーションを促進する

◆ 積極的な発信と信頼により異業種や地域企業とのパートナー関係を構築する

オペレーションカンパニーを目指す事業戦略

5.各ビジネス領域の強化と拡大の方針

コンサルティング、ソフトウェア、インスペクション、グローバルの各ビジネスにおける強化と拡大の方針は次のとおりです。

◆ コンサルティング(改築更新)

事業運営を通じたアセットマネジメントによるインフラ管理の高度化・最適化

◆ コンサルティング(経営・環境)

持続可能な事業運営とカーボンニュートラルの推進

◆ コンサルティング(災害対策)

雨水マネジメントや浸水情報サービスによる防災・減災の推進

◆ ソフトウェア

AI活用によるインフラ管理システムの高度化と利用分野の拡大

◆ インスペクション

インスペクションによる予防保全の実現などインフラ管理の高度化と効率化

◆ グローバル

現地と一体となった海外ビジネスの拡大とインフラ管理システムの海外普及

各ビジネス領域の強化と拡大の戦略

6.数値目標(連結)

オペレーションビジネスの拡大と関連するビジネス領域全体の強化によって、2030年の売上高330億円を目指します。

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