本業務の意義
都市部においては、局地的集中豪雨の増加、都市化の進展によるピーク流出量の増大、浸水被害ポテンシャルの増大等の要因によって、近年、人命や社会生活に影響のある甚大な被害が発生しています。
このため、都市部においては一刻も早い浸水被害の解消が望まれています。投資余力が限られているなかで、住民と目標を共有しながら、緊急かつ効率的に浸水被害の軽減を図ることが今後解決すべき課題となっています。
都市水害を解消するためには、さまざまな施策を実施していく必要がありますが、財政的制約がある中で、既存施設を最大限活用し、効率的な施設運転を行うことが重要です。また、住民自らが災害対応を行うためには、適切な情報を住民等に提供していくことも重要です。
NJSでは、国土交通省が配信するXRAIN雨量情報(eXtended RAdar Information Network:高性能レーダ雨量計ネットワーク、250m四方のレーダ雨量、1分間隔配信)を活用した雨量情報システムを開発し、システム構築・運用並びに浸水対策に関するコンサルティングを行い、浸水被害の軽減に貢献しています。
本業務では、ある事業体において、XRAIN・地上雨量計の情報及び下水道施設運転情報を収集するネットワークを整備し、下水道部局並びに防災部局向けにリアルタイムに加工・提供するICTシステムの整備を行いました。また、リアルタイムでシステムが安定稼働するように運用支援を行っています。
雨量情報システムの活用例
迅速な警戒体制の構築並びに浸水対策施設の効果的な運用を支援するために、XRAINの数値データに雨水排水区や小学校区単位で集計した結果や過去の浸水実績に基づく浸水危険度(推定値)を地図上に色分け表示しました。
また、住民自らが行う対策・避難活動並びに地域防災活動を支援するために、住民向けに地区別の雨量情報を配信しています。
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XRAIN雨量 -
排水区別雨量 -
浸水危険度推定(内部利用) -
警戒態勢構築支援情報(内部利用)
図-2リアルタイムに加工・提供するICTシステムの表示画面例