仕事と社員

プロジェクトストーリー

青森県・弘前市内で使用する水の約5割を供給している樋の口浄水場は、施設の老朽化によりDBO※方式による全面更新を決定。
2020年1月のプロポーザル(企画・提案)審査を経てNJSを含むコンソーシアム(共同事業体)が受注し、
2026年の運転開始に向けて工事が進んでいます。
※ Design Build Operate:設計、建設、維持・運転管理業務を一括発注する方式

コンサルティングという仕事

社会に欠かすことのできない「水インフラ」 。 
NJSのメンバーは、人々の毎日の生活やビジネスを、根底から支える仕事に取り組んでいます。
また、近年は、建設の時代から管理運営の時代へと大きな変革期を迎え、
I T 、ソフトウェア技術 をはじめとする新しい技術ソースも次々と生まれています。
今なお進化を続ける広大な技術フィールドで、多数の水コンサルタントが活躍中です。
各専攻出身者が現在どのような仕事をしているのかご紹介します。

土木系の仕事

  • 学びが活かせる仕事
  • コンサルタントの仕事
  • 理系
  • 土木

部署 水道本部 水道3部
卒業 都市環境科学研究科 
入社 2018年新卒入社

S.O

仕事内容

上水道に関する業務を行っています。計画設計と呼ばれる水道施設更新計画に関する業務や、実施設計と呼ばれる浄水場やポンプ場の更新設計業務、施工監理と呼ばれる工事が円滑に進むように関係者間の調整を行う業務など、様々な業務を行っています。その中でも、数年前に規定が改訂され適用事例が増えつつある紫外線処理設備の設計業務や、水道法改正により広く推進されている官民連携業務等、最新のトピックに関する業務にも携わっています。水道部の良いところは、計画設計や実施設計問わず、様々なジャンルの業務を経験できるところだと思います。色々な業務を経験することで幅広な知識が身につきますし、広い視野を持つことが出来ます。また、それを様々な仕事に活かすことができ、自身のスキルアップにも繋がると思います。

仕事のやりがい

NJSは繁忙期が比較的はっきりしているため、メリハリを持って業務に取り組むことができます。GWや夏休み、年末年始など、年数回まとまった休みも取れるため、海外旅行に行く時間も取れます。長期休みを楽しみに毎日の仕事もがんばれます。あとは給与明細を見たときに仕事がんばってよかったと実感します。一方繁忙期は作業量が多く、同時に数多くの仕事をこなさないといけないため、作業内容に優先順位をつけて取り組むことが必要です。1~2年目は仕事の進め方が分からず、ひとつひとつの業務をこなすのに時間がかかりました。そのため、今日中、今週中、来週中のやらなければならないことを定期的にノートに書き出し、順番に片づけることでどうにか仕事をこなしていきました。

社会貢献

自分が設計に携わった浄水場が無事に稼働を始め、市民の皆さんにより安心安全な水を提供することが社会貢献であると思います。また、業務が完了したら顧客満足度調査をお客様からいただきます。(顧客満足度調査とは、NJSの対応や成果物の内容はいかがでしたか?みたいなものです)月並みですが、業務で苦労してもいい結果がもらえると、頑張って良かったなと実感します。

入社1年目に担当した
紫外線処理設備設計業務

入社1年目に担当した紫外線処理設備設計業務が印象に残っています。本業務は水源水質の悪化が進んだ浄水場に対して、クリプトスポリジウム対策を目的に紫外線処理設備の導入を行う実施設計業務でした。建築(建屋建設)、土木(配管設計、場内整備)、機械設備(紫外線処理設備)、電気設備(関連電気設備)、と全工種が関わる業務でしたが、私は機械設備担当及び土木担当として設計に携わりました。右も左も分からない中、上司や各担当者に指導頂きながら、設計を行いましたが、各工種の調整に非常に苦労しました記憶があります。また、各工種が関係する業務では非常に幅広な知識が求められるため、調べたり聞いたりしながらなんとか設計を行いました。昨年はその施設の施工監理業務を行い、工事が円滑に進むようにお客様や施工業者との調整を行いました。そして先日、浄水場が無事に稼働を始めたとお客様に連絡がありました。何もなかった土地に自分で設計した施設が建設され、無事に運転を開始しました。そのプロセス全てに係ることができたのは非常にいい経験になりましたし、大変やりがいのある仕事でした。

学生時代の学び

学生時代は土木系の学科で水道系の研究室に所属していました。特に大学院では漏水監視センサーに関する研究を行っていたこともあり、学生時代の学びが直接仕事に活かせていると感じます。特に水道に関する基礎知識は学生時代からなんとなく知っていました。しかしながら、結局は仕事に必要な知識は仕事をこなしながら身に付けていくことになります。先輩・上司が親身に指導してくれるため、他の専門を専攻している学生さんでも全く問題なく業務をこなすことができます。水道に関係のない学部学科に所属している学生さんも、積極的に選考に参加頂きたいと思います。

上司からの声

Oさんは、機械担当として多くの水道施設の設計を担当してくれています。特に浄水施設は多数の機械設備で構成されており、個別の機械特性はもちろん、浄水処理技術全般を理解していなければ設計はできません。元々、業務に近い研究室の出身であったこともありますが、技術への探求心をもった取組姿勢と持ち前の積極性で、期待以上の経験や成果をあげてくれています。一方、コンサルタントですから、技術力に加えて、客先へのプレゼン能力やコミュニケーション能力も必須となりますが、場数を踏んでいくにつれ、話し方も上手くなり、お客様との信頼関係の構築も問題ありません。国内の水道施設は更新時期を迎えており、今後さらに更新設計案件の増加が予想されます。忙しい環境ですが、20代は経験値をためる時期ですから、失敗を恐れず多くの案件にチャレンジし、頼れる水コンサルタントになってほしいと願っております。技術士(上下水道部門)の早期合格も期待しています。

土木系の仕事

  • 学びが活かせる仕事
  • コンサルタントの仕事
  • 理系
  • 土木
  • 女性活躍

部署 東京総合事務所 プロジェクトマネジメント2部
卒業 創造理工学研究科 
入社 2015年新卒入社

S.M

仕事内容

現在担当している業務は、緑道に流れている人工の小川(せせらぎ)に関する設計です。下水道とは関係ないように感じますが、せせらぎの水は、近くのA処理場の高度処理水を使用しています。A処理場は、近い将来、他の処理場と統合される予定であるため、せせらぎで使用している高度処理水が無くなってしまうという課題があります。せせらぎは、コイや水鳥などが生息し、市民の憩いの場となっているため、廃止することはできません。そこで、せせらぎの下流から上流へ水を循環させて、せせらぎを存続させる計画になりました。本業務は、循環施設の基本設計、詳細設計業務です。基本設計では、循環施設の場所や形式など様々なケースについて、施工性、維持管理性、経済性の検討を行い、設計方針を決定します。詳細設計は基本設計で決めた設計方針をもとに、構造計算や、土留めの計算等を行い、図面や数量計算書を作成し、お客様である市が建設業者へ工事発注できる資料を作成します。

仕事のやりがい

昨年出産し、現在は時短勤務で働いています。4月に復帰してから、あまり時間が経っていないこともあり、家庭と仕事の両立が中々大変です。コロナ禍で在宅勤務が普及していたことと周囲の配慮もあり、何とかやっていけています。正直復帰するまでは、不安で復帰したくないという思いが強かったですが、仕事を始めると、産休前にお世話になったお客様に「出産お疲れ様、またよろしくお願いします」と言ってもらえて、仕事を続けてよかったと思います。当たり前のことですが、お客様から感謝の言葉を頂いたり、協議がうまくいったりしたときは、うれしいです。資料作成の際に、工夫をした点にお客様が気づいてくれると心の中でガッツポーズです。

社会貢献

私が就職してから、災害復旧業務がいくつかありました。台風の罹災が主でしたが、下水道施設が機能しないと住民生活に多大な影響があることを感じました。私が現場調査に行った処理場は、海の近くにある処理場で、台風による高波によって、水処理施設の手すりや、覆蓋が流されていました。水処理機能には影響はなかったものの、通常の維持管理を行うには危険な状態であると感じました。(蓋や手すりがないと、作業中に転落するおそれがあるため)市の担当者から、迅速に対応してくれてありがとうと言われたときは、仕事を通じて社会貢献につながっていると感じました。

様々なシミュレーションを
検討し成功したプロジェクト

A処理場とB処理場からC処理場へ処理前の下水を流入させるという業務がありました。すでにA処理場からC処理場への流入は始まっていましたが、B処理場からの流入を開始するにあたり、それぞれの処理場の流入水量、運転条件からシミュレーションを行いました。土木的な知識だけでなく、それぞれの処理場に設置されている機械の能力などによって、条件が変わるので、機械の担当者に色々と相談しながら(相談しながらというより教えてもらいながら)、業務を進めました。様々なシミュレーションを検討し、最終的に無事に送水が開始されたと担当者様から連絡があったときはうれしかったです。

学生時代の学び

上下水道の設計業務は、土木工学科の必修科目のほとんど全てを網羅しているのではないかと思います。衛生工学や水理学はもちろんですが、構造力学、土質力学の知識も必要です。今回の循環施設の設計では、地下に水槽を設置する予定であるため、土留め方法の検討する際などに土質力学の知識が必要です。また循環施設の構造を決めるにも、構造力学の知識を用いて検討します。学生時代は、どの科目も得意ではなかったので、就職後、先輩や協力会社の方に教えてもらいながら、参考書を購入し、勉強しました。土木工学は経験工学といわれるだけあって、どの案件も異なるため、仕事を通して勉強していくことが多いと思います。

上司からの声

昨年は、最難関である技術士試験(上下水道部門)に見事合格し偉業を成し遂げたのですが、産休と育児休暇で1年半ほどのブランクが空いてしまいました。しかし、復帰後、このブランクをものともせずにこれまでに培われた技術や経験は決して衰えることなく、業務をスムーズに進めてもらうことができたのでかなり驚かせられました。また、育児と仕事の両立という面については、社内の「働き方」が大きく改善されたことによって、育児と仕事を両立できる環境が飛躍的に向上したことや、社内にはこれらを両立させている偉大な先輩社員方々がいらっしゃいますので、これをお手本として、自分自身のペースを保ちながらこの仕事を長く続けて頂きたいと思います。今後は育児との両立となりますが、「下水道エンジニア」と「子育て」のエキスパートを目指して頂けるよう応援し続けてゆきたいと思います。

建築系の仕事

  • 学びが活かせる仕事
  • コンサルタントの仕事
  • 理系
  • 建築

部署 東京総合事務所 建築部
卒業 理工学研究科 
入社 2014年新卒入社

Y.Y

仕事内容

建築系技術者として、浄水場や下水処理場を管理する人のための空間や、様々な機械や電気設備を設置する空間となる建物の設計を行っています。大きく分けると、新たに建物を建設する新設業務と、既存の建物に対する業務があり、その両方が対象となります。新設業務においては、メインとなる水処理や設備配置等を建築以外の土木・機械・電気の各担当等との調整を行い、必要な面積や高さを決定していきます。また、使用性や経済性など多方面の要素を考慮して最適なプランを決めていくのが建築の役割となります。既設の建物に対する業務においては、耐震診断及び補強、ストックマネジメントに関する改築設計などを行っています。実際に建設に至るまでには、平面図・立面図などの意匠図作成や、構造計算及び構造図面の作成、仕上げや材料に対する数量計算など、多岐にわたる範囲が建築として担当する業務となります。

仕事のやりがい

やりがいのひとつとしては、設計したものがカタチになることです。設計した建物が実際に建設された時や、耐震補強工事が完了したものを実際に見ると、それまでの頑張りが報われます。それぞれの仕事に対しても、場所や用途、条件などひとつとして同じものはないため、その分様々な検討が必要なため苦労する場面も多々ありますが、無事に設計を終えて納品できたときには達成感があり、やりがいのひとつとして考えています。自治体の方からコンサルタントの一担当者として、進行中の業務を問わず建築分野に対する相談を受けるなど頼りにされた時には喜びを感じます。

社会貢献

仕事で関わってきた浄水場や下水処理場などが、何事もなく日常的に機能していることが、まずは社会貢献しているなと感じています。特に、耐震・耐水に関する補強設計をした施設などに対して、近年の頻発する地震や洪水などの災害が生じてしまった場合においても被害無く、事業を継続している時には社会貢献を実感します。

優良表彰に選出された
耐震診断プロジェクト

最も印象に残っているのは、とある既存施設における耐震診断プロジェクトです。特徴として、対象施設の数を含めてボリュームが大きいことに加え、ボリュームに対して設計工期も非常にタイトな業務でした。さらには、お客様は経験も技術面でも豊富な方であったため、設計に対する要求も非常に高いものでした。これに対して、様々な検討を実施することはもちろんのこと、積極的に社内の管理技術者や上司への相談を行うと共に、関係する土木や設備の各職種の担当者への協力を仰ぐなど、業務に尽力しました。すべて順調に進んでいったという訳ではなく、時には検討内容などに対してお客様から指摘などを受ける場面もありました。ですが、最終的には、工期内に十分な成果物を作成して納めることができただけでなく、この業務及び各担当においては優れた業務として優良表彰に選出され、満足のいく結果となりました。

学生時代の学び

学生時代は建築学を専攻しており、修士論文では「地震動を受ける鉄骨ブレース補強後RC造建物の耐震性能評価」というテーマで研究をしていました。仕事においては、建築全般の設計を行うにあたって、構造に関する基本的な知識や専門的な部分でも活かせていると考えています。一例として、入社当初に担当していた耐震診断・補強に関する構造解析手法(非線形解析)の開発においては専門的な知識を身に着けていたことを発揮できたと思っています。その他、様々な業務を進めていくにあたっても、ひとつ自身の強みとなる分野があることで、社内外問わず、やり取りがスムーズに行うことが出来ていると考えてます。

上司からの声

建築設計は、意匠、構造、設備(空調・衛生・電気等)、工事監理など多岐にわたる設計業務です。また、建築設計は『正解がない、チャレンジの仕事』だと思います。プロジェクトにおける様々な設計条件、客先からの要望などを整理し、プランを提案する。提案が受け入れられることもあれば、逆に失敗することの方が多い仕事だと思いますが、Yさんにはどのプロジェクトにおいても失敗を恐れることなく、『正解に近づきたい』というチャレンジの姿勢があります。建築設計を行う上では一級建築士という国家資格の取得も一つの目標ですが、Yさんはすでにその資格を取得しております。建築設計に必要な知識の習得は多く、工事監理業務などの現場における経験などはこれからも必要となります。今後携わる建築設計においても、客先の求めていることを感じ、正解を求めるチャレンジの姿勢を続け、更なるステップアップを期待しております。

機械系の仕事

  • 学びが活かせる仕事
  • コンサルタントの仕事
  • 理系
  • 機械

部署 大阪総合事務所 プラント部
卒業 理工学研究科 
入社 2019年中途入社

H.K

仕事内容

プラント部の機械設備担当として、下水道施設に設置されているポンプや送風機、汚泥処理設備などの機器や、機器に付随する配管などの新設および改築の設計を行っています。また、近年では施設全体の省エネを実現するような施設処理フローの見直し提案業務や、汚泥の資源化等の有効利用検討業務なども行っています。送水や、水処理を行うための曝気、汚泥の処理など、下水道処理施設機能の根幹を担うのは機械設備であるため、お客様の要望や施設の運用方法を詳細に把握しながら設計を行う必要があります。また、改築対象となった機器のみの設計を行うのではなく、施設全体の機能や、将来の展望(施設共同化や機能縮小)を考慮した設計が必要となるため、施設をマクロの視点で把握することが重要です。機械設備は近年の技術革新も目まぐるしいため、最新の技術に触れながら設計業務を行うことができます。

仕事のやりがい

お客様へのヒアリング等で挙げられた課題や要望を解決できるような機器や処理方式を提案し、それが採用されたときはやりがいを感じます。また、様々な業務を経験したり、普段から新技術や他事例を学ぶようにしていたおかげで、お客様から急な提案依頼や相談があった際に、即座に有効な技術や、事例を紹介できたときなどは、自身の成長を感じることができます。一方、経験したことのない業務などでは、予備知識がない中で技術動向や最新の行政の方針を確認しながら手探りで業務を遂行しなければならないため苦労も多いです。しかしながら、そのような業務を遂行できたときには難易度の高い業務をやり遂げた達成感と、新しい知識と経験を身につけられた実感を得ることができます。

社会貢献

上下水道は社会を支えるインフラ施設であるため、日常業務がすべて社会貢献につながっていると言えるのですが、浸水等の災害対策のための雨水排水設備の設計は、とくに社会貢献を実感することができます。また、近年では脱炭素がトレンドとなっていますが、下水道施設では、消化ガス発電や、汚泥の燃料化などの資源有効活用が可能であるため、脱炭素社会に貢献する可能性を有した施設であるといえます。新たなシステムを導入したり、処理フローを見直したりすることで、排出CO2を大幅に削減する旨の提案を行い、その提案が採用されたことがあります。現在進行中の案件ではありますが、今後脱炭素に貢献できることが期待されるため、このような設計を行った際は社会貢献を実感できた瞬間であるといえます。まだ記憶に新しい、能登半島地震のような大規模災害のタイミングでは、災害支援として被害規模の調査、災害復旧設計を行うこともあります。

失敗も学びとなった
消化ガスプラントの改築設計

印象に残っているのは、入社後初めて主担当として設計を行った、消化ガスプラントの改築設計業務です。その処理場では消化ガスの処理を行うための脱硫装置の改築時期が来ており、型式変更を踏まえた改築設計が必要でした。脱硫装置は機器費等の経済性ならびに維持管理性の向上が実現可能な、乾式脱硫方式に見直す提案を行い、お客様に採用いただくことができました。ただし、その業務では失敗もあり、配置を予定していた位置が他設備の将来改築予定地と干渉しており、途中で配置を大幅に見直すことになったり、設備の荷重条件を連絡する際に、維持管理車両の重量が漏れたりしていたことで、戻り作業の発生や工期延期など、お客様ならびに他工種にご迷惑をかけてしまいました。その失敗経験により、諸条件の事前整理や作業内容の管理・共有の重要性を学ぶことができたことは、現在行っている業務管理や、設計において非常に役立っていると感じます。

学生時代の学び

大学時代における、学会発表や論文の作成において、簡潔かつ理解しやすい文章にするため、推敲し、よりわかりやすく、発表方法を試行錯誤した経験は、お客様へ提案を行うことが仕事であるコンサルタントの業務において活かせていると感じます。もともと私は機械専攻ではなく化学工学専攻だったのですが、「ものごとを論理的に考えること」、「結論を導くためには因果関係を整理すること」などは、理工系職種に関わる共通項ですので、専攻の違いで大きく苦労したことはあまりありませんでした。逆に、化学工学で熱力学を学んでいたからこそ、省エネや汚泥の資源化などにおいては、自分の強みとして活かせていると実感できることもあります。また、私は学生時代ブレイクダンスで海外の大会などにも出場した経験があり、好奇心旺盛にあらゆるものに興味をもち、多少苦労しても何でもやってみたいと思う前向きさが、社会では力になっていると実感しています。

上司からの声

機械担当として、下水道施設設計を主に担当しています。下水処理施設は多数の機器で構成され、下水処理工程も地域によって様々であり、それぞれの特徴を把握し、設計しなければなりません。入社当初から、下水処理技術に興味を持ち、常に技術力の向上を図り、期待以上の速さで成果をあげています。最近では、プラント部の機械グループの取りまとめや若手社員の育成に貢献しています。また、大阪総合事務所内のフリーアドレス化や業務を行いやすくするための活動にも積極的に参加し、業務以外の場での取り組みも評価しています。今後は、今までの取り組み姿勢を継続しつつ、機械設備だけではなく多種多様な知識、客先へのプレゼン能力・コミュニケーション能力を向上させ、社内外から信頼される技術者になることを期待します。

電気系の仕事

  • 学びが活かせる仕事
  • コンサルタントの仕事
  • 理系
  • 電気

部署 九州総合事務所 プラント部
卒業 工学部 入社 
2022年中途入社

Y.I

仕事内容

日本全国には下水処理場や浄水場等が存在し、現在多くの施設で改築・更新が必要となっています。私は、これら施設の電気設備の設計を行っており、主に改築計画の策定とそれに基づく更新設計がメインとなっています。下水処理場や浄水場といった施設にはポンプや送風機、脱水機のような機械設備が数多く存在し、電源供給や運転制御を行う必要がありますが、適切な電気設備がなければこれら機械設備を稼働することができません。また、大規模な施設や無人の施設では、遠方監視する必要があるため、電気設備がなくては、下水処理場や浄水場、その他ポンプ場等の関連施設の維持管理が困難となります。下水処理場や浄水場の電気設備の設計はなかなかイメージしづらいかもしれませんが、水インフラにおいての電気設備は各種機械設備と同様に重要な設備であり、業務を通じ社会インフラへと貢献できる仕事となっています。

仕事のやりがい

下水処理場は汚水を浄化し放流するための施設であり、海や川の環境保全に対して重要な役割を担っています。また、浄水場は地域住民の飲み水に使用されたり工場に配水されたりなど、社会生活に対しての重要な役割があります。水インフラは社会インフラとして大きなものであるため、その影響範囲は広く、責任はありますが、設計した内容が反映されることで多くの人々のためになる仕事だと感じています。また、電気設備は、建物の中に設置し、機械設備を動かすものなので、土木・建築・機械の他工種との調整が必要となり、電気だけの知識だけではなく幅広い知識を持っていた方がスムーズに仕事を進めることができます。まだまだ知識不足ではありますが、他工種のメンバーと助け合い、チーム一丸となって仕事を進め、成果品を収めることができた時は仕事のやりがいや楽しさを実感することができます。

社会貢献

更新計画をしてから実際に上下水道施設の工事が完了するまでに数年かかるため、自分で行った仕事内容が直接的に社会貢献したとはまだ実感できていません。しかし、上下水道施設は、既存の機械・電気設備の更新や、維持管理性の効率化が求められているために、水コンサルタントにおける機械・電気技術者の必要性が増してきている時代の中で、電気担当者として、幅広い施設設計に携われていることに関しては、社会への貢献を感じています。上下水道施設は生活する市民にとって普段目にすることがないため、あまり意識が向けられることはありませんが、上下水道が正常に機能していることが当たり前という状況を維持することが、社会貢献に繋がっていると思います。

発生した課題を解決しながら
進めたプロジェクト

気候変動による降雨量増大に対応するため、既存雨水ポンプ場の能力増強を図るためのポンプ増設設計業務に携わりました。当該業務では、雨水ポンプの能力増強により、消費電力が増大し、既存の受変電設備では容量不足となり、大規模な更新工事が必要となりました。加えて更新工事に伴い、膨大な費用がかかることや工事期間が延伸するといった課題がありました。それらの課題を解決するために、雨水ポンプへの配電を既存の受変電設備ではなく、常用発電設備による配電とする方法を提案しました。受変電設備の大規模な更新工事が不要となり、工事期間の短縮が図れ、工事費用についても客先が想定する予算内に納めることができました。設計の知識やスキルの重要性だけでなく、費用や工程など客先が考える意見・要望をいかに反映させる設計内容とするか、勉強になるプロジェクトであったと実感しています。

学生時代の学び

学生時代は電子工学を専攻しており、修士課程では「レーザ光の波長変換による短波長光発生技術」に関する研究を行っていました。研究内容が仕事に直接活かされてはいませんが、電子回路や論理回路、システム工学等の基本的な電気知識や専門的な分野で活かせています。上下水道の知識に関しては専門外でしたが、参考書や上司、周囲のサポートのおかげで、着々と身につけられていると感じています。会社に入社し学生時代の専攻と同じことができる人は限られており、どの会社に入社しても色々な知識を必要とすることが多いですが、水コンサルタントという仕事は特にその性質が強いと感じています。専門外でも会社では勉強会など手厚いサポートがあるので、積極的に新しいことに挑戦したいという意欲がある人は水コンサルタントをチャレンジしてみるのも良いかと思います。

上司からの声

下水処理施設設計とは異なる業種からのスタートでしたが、様々なプロジェクトに取り組む中、客先との協議では協議資料・内容を自分で考え、説明方法などを上司に確認してから臨むことで、自分自身の技術力を向上させ、入社1年半でかなり成長されたと思っています。まずは、電気設備担当者として、電気・下水処理の基礎技術を習得し、プロジェクトにおける設計条件・要望事項などを整理・抽出できるようになるとともに、プレゼン能力やコミュニケーション能力も向上させ、客先が納得する提案が行えるようになっていただきたい。今後は、今の取り組み姿勢を継続して頂き、若手社員の手本となり、顧客から信頼される素晴らしい技術者に成長して頂きたいと思います。

環境系の仕事

  • 学びが活かせる仕事
  • コンサルタントの仕事
  • 理系
  • 環境
  • 女性活躍

部署 東京総合事務所 流域水防部
卒業 工学部 社会環境工学科 
入社 2018年新卒入社

A.N

仕事内容

下水道の計画分野を担当しています。市町村などの各自治体は、それぞれに下水道事業計画を国や県と協議して定めており、数年おきに更新しなければなりません。下水道事業計画には、汚水や雨水を処理する区域の面積や下水道管の情報などを記載する必要があり、それらの計算や内容の確認、図面の作成などの計画変更業務を担当しています。また、下水道事業を官民連携事業として行うために、事業の導入効果を検討する業務や事業者となる企業を選定する支援業務も担当しています。災害対策関連の計画では、地震及び水害が発生した際に自治体が下水道に関連する業務を継続するための計画やマニュアルの作成業務も行っています。昨今は豪雨や台風による被害が大きく、浸水する可能性がある地域をピックアップして被害を軽減する対策検討や、下水処理施設が水没しても機能を維持するための耐水化計画の作成など、水害関連業務も多くなっています。

仕事のやりがい

一般的に建設コンサルタント業界は仕事量が多く忙しいと言われています。実際に、繁忙期と呼ばれる10月頃~3月は勤務時間も長くなります。私は就職活動の際に複数の会社説明会への参加、OB/OGへの訪問、興味のある分野の学会への参加などを通して本当に自分が就きたいと思う仕事は何か、よく考えました。その時に真剣に向き合ったことで、仕事に対する覚悟がある程度生まれたため、苦労することがあったとしても、むしろそれがやりがいとなっている部分は大きいです。大変だと感じることはもちろんありますが、何を苦労と感じ、何を喜びと感じるかは人それぞれです。自分の中で目標を持っていれば、自然とやりがいは生まれます。

社会貢献

例えば下水道管を設置する際に、まずは計画担当が設置すべき場所を決め、次に設計担当が下水道管の位置や工法を具体的に決めて設計し、最後に工事を行います。計画してから実際に下水道施設の工事が完了するまで数年かかるため、自分で手を動かして行った仕事内容が、物理的に社会貢献したと実感したことはまだありません。しかし、以前浸水対策関連の業務に携わった際に、浸水シミュレーションなどの結果から浸水被害を軽減する方法を検討し、計画を立てました。私たちが検討、計画した結果として、将来浸水被害が軽減されることを想像すると、とても意義のある仕事だと感じています。下水道施設は基本的に目に見えない場所(道路下など)にあるため、普段生活の中で市民の意識が向けられることはあまりありませんが、「下水道が正常に機能しているのが当たり前」という状況を維持することが、社会貢献に繋がっているのではないかと思います。

役割の重要性を痛感した
耐水化計画業務

下水処理場及びポンプ場の耐水化計画業務が印象に残っています。その業務では、市全域の処理場とポンプ場を対象に、内水(都市の排水能力を超えた降雨によって発生する浸水)、洪水、津波、高潮の4つの水害による浸水深などを確認し、被害が発生する可能性がある施設を抽出しました。下水処理場及びポンプ場が20箇所以上あり、各施設内に建物が数棟あるため、下水処理場とポンプ場内の対象となる建物は、市全域で合わせて101棟となりました。全施設に対して現場調査をし、開口(窓や扉等)の寸法や設置高さを計測する必要があったため、社内の他部所やアウトソーシング先となる協力会社と分担して現場調査を行ったのですが、各担当者の調査結果の整理方法が様々であったため、まとめ作業に手間がかかりました。業務の中の作業レベルですがリーダー的な自分の立ち位置とその役割の重要性を痛感すると共に、成果が出来上がった時には達成感がありました。

学生時代の学び

学生時代は土木工学を学び、河川や湖沼の水質に関する研究をしていました。講義でCADやGISを使用したことがあったので、業務で図面を作成する際に久しぶりにCADやGISを使用しましたが、数年のブランクがあっても操作方法などの理解が早かったと感じます。他にも、実際に研究で深めた知識を仕事で発揮するというよりは、講義や研究で学んだ水理学や水処理工学、Excel・Wordの使い方など、基礎的な土台があることにより業務内容の理解度が上がると思います。学生時代は熱心に勉学に励んだわけではありませんが、今思い返すと役に立っていることがたくさんあります。

上司からの声

私たちの仕事は一言に「下水道」といってもプロジェクトの種類は多岐にわたります。長年、この業界に携わっていますが、お客様も様々であることから、同じ仕事はないといっても過言ではありません。そのような中で、Nさんは一度担当したプロジェクト内の経験を最大限活用して新たなプロジェクトに取り組むようになっています。私たちは会社員であると共に、「技術者」でもあります。多くのノウハウの引き出しをもつことは、社内外の関係者の信頼とプロジェクトの品質向上に繋がります。是非、今後も現在の取組姿勢を継続して頂き、優秀な技術者に成長していただきたいです。