PROJECT STORY 01日本最大級の浄水場を、
次世代につないでいくために。

西谷浄水場 再整備プロジェクト

PROJECT STORY 01

PROLOGUEプロジェクト概要

西谷浄水場は、横浜市の4分の1のエリアへ水を届ける日本最大級の浄水場。ある時、その再整備プロジェクトが立ち上がった。最大のポイントは、他の企業と共同事業体を組んで取り組む『デザインビルド式』であること。このプロジェクトの難しさやNJSが担った役割について、お話を伺った。

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  • プロジェクトストーリー
  • 西谷浄水場 再整備プロジェクト
  • T.O 2026/02/19 T.O
    • 水道本部 企画戦略部
    • 2003年入社(新卒入社)
  • S.T 2026/02/18 S.T
    • 水道本部 企画戦略部
    • 2020年入社(キャリア入社)
  • R.Y 2026/02/17 R.Y
    • 東京総合事務所 建築部
    • 2023年入社(キャリア入社)

EPISODE 01

日本で最大級規模の浄水場の、大規模更新プロジェクト。

377万人もの人口を誇る都市、横浜市。その約4分の1のエリアへ水を届ける西谷浄水場は、大正4年の創設以来、改築を重ねながら100年以上にわたって市民の生活を支えてきた。 そんな浄水場が今、大規模な再整備計画の最中にあるという。

2022年の技術提案から関わるT.Oはこう話す。

「1日につくる水の量が10万トンを超えると大きな浄水場と言われる中、西谷浄水場の浄水量は1日に30万トン。そんな国内最大級の浄水場でもある西谷浄水場は、近年、老朽化や耐震性の不足が課題となっていたんです。また、近隣の浄水場の統廃合により、さらなる能力増強が必要になったことや、よりおいしい水をつくるために高度処理を取り入れることも再整備の目的でした。」

横浜市が選んだ発注方式は『デザインビルド方式』であること。設計や施工を別々に発注するのが主流だった従来に比べ、設計から施工まで一括して発注する『デザインビルド方式』は、工期の短縮や設計の最適化につながるため、近年、公共工事で増えている手法なのだ。

「今回は、ゼネコン、電気機器メーカー、水処理メーカーと共同事業体を形成することになりました。その中で、上下水道専門の設計企業であるNJSが担うのは、技術提案と設計の取りまとめ。他社との協業は難しさもありますが、こうした新しい手法にも率先して挑戦するのも、NJSのスタンスなんです。」

EPISODE 02

制約が多く、難しくても、水処理のセオリーは譲れない。

しかし、今回の再整備計画のハードルは想像以上に高かった。なぜなら、現在の施設の稼働を止めることなく、同じ場所に新たな施設をつくることが条件だったからだ。

提案書の作成を担当したS.Tが当時を振り返る。

「西谷浄水場は高台に位置していることから、ポンプを使わずとも自然流下で水を配れるため、“同じ場所で更新したい”というのが横浜市の方針だったのです。ただ、そうなると、敷地内の空きスペースに新たな施設をつくり、切り替えが完了したら古い施設を取り壊して次の施設をつくるといった、パズルのような工事をしていかなければなりません。これまでの経験やノウハウを持ってしても、難しい内容でしたね。」

また、デザインビルド方式である以上、他社の提案内容との差別化も重要だ。制約が多い中、もっと工期を短縮できないか、少しでもコストを削減できないか、と、提案に向けて共同事業体の中で何度も協議を重ねながら提案内容を詰めていった。最終的に、どこが評価されて受注につながったのだろうか?

「浄水場の設計では、処理能力の安定と水質の均一化のために、配管のレイアウトをシンメトリーにするのがセオリーなのですが、制約が多い中でも、そこにこだわった設計になっていたことが評価のポイントになったそうです。上下水道施設を数多く設計してきたNJSとしてこだわった部分でもあったので、とてもうれしかったですね。」

EPISODE 03

施工が始まっても、NJSの仕事は続いていく。

とはいえ、受注はあくまでスタートラインに過ぎない。横浜市とも協議をしながら、さまざまな要望を設計に落とし込んでいく中で、ある手法の活用が功を奏したとT.Oが話す。

「BIM/CIMという3Dモデルを使う手法です。建築系では一般的なのですが、まだ土木系ではそれほど使われていなくて。プラントや機械、電気が絡み合う浄水場の設計にこそ有用なのではと、今回取り入れてみることにしたんです。3Dで可視化することで、関係者全員と完成後のイメージを共有できるようになり、横浜市の方々ともスムーズに合意形成することができました。」

2年間の設計フェーズを終えて、いよいよ施工フェーズへ。しかし、NJSの仕事は終わりではない。

「どれだけ入念に設計をしていても、施工が始まるとさまざまな課題が出てくるもの。しかも、施設を稼働しながらといった、難易度の高い状況であればなおさらです。設計が終わった後は、工事監理として、施工現場からの確認にも臨機応変に対応していく必要があります。」

こう話すのは、前職のゼネコンで施工管理を担当していたR.Y。NJSに中途入社後、建築工種としてこのプロジェクトに参加することになった。

「入社してすぐにこれほど大規模なプロジェクトに参加することになって驚きましたが、こんなふうに活躍の場をどんどん与えるのがNJSの風土。最初は不安だったけれど、上司がバックアップしてくれるので、一つ一つ学びながら取り組めています。」

EPISODE 04

共通しているのは、
“より良いものをつくろう”という想い。

2022年から始動した西谷浄水場の再整備計画。完成は2033年を予定しているという。プロジェクトのはじまりから関わるT.Oはこう話す。

「西谷浄水場が完成したら、老朽化対策と耐震化が実現するだけでなく、供給量も増強するし、今回導入した高度処理によって今よりおいしい水を供給できるようになります。また、一般的に施設の耐用年数は60年と言われていますが、それはつまり、再整備した施設がこの先60年間使い続けられるということ。ずっと残り続けると思うと感慨深いですね。」

続けて、このプロジェクトへの想いを語るのはS.Tだ。

「じつは私は横浜市在住なのですが、住んでいる地域のインフラを支える仕事に携われたのは、自分にとって誇らしい経験になりました。子どもにも『この街の水を支える仕事をしているんだよ』と話せたのもうれしかったですね。」

土木や建築、機械、電気などのさまざまな専門分野が絡み合う、浄水場の再整備。さらに今回は、ゼネコンや電気機器メーカー、水処理メーカーと共同事業体として挑むことになった。途中からプロジェクトに参加したR.Yは、どのように感じたのだろうか。

「それぞれ企業も専門分野も違いますが、“より良いものをつくっていこう”という想いは同じ。各企業から参加している方々の意気込みを感じましたし、大変な部分もありながらも、一緒にやっていく楽しさが生まれるのもこの手法の面白さだと思います。また、中途入社だからこそ、他社との関わりの中でNJSが持つ上下水道分野への専門性の高さや経験の豊富さを実感。自分も経験を重ねながら、専門性を高めていきたいと強く思いました。」

複数の企業と共同事業体になり、さまざまな分野の工種が連携して取り組む、西谷浄水場の再整備プロジェクト。提案から設計、そして完成までの長い道のりが、横浜に住む人々の明日を支えているのだ。