PROJECT STORY 02現場の課題を解決する、
新たな下水処理場をつくる。

草津下水処理場 再整備プロジェクト

PROJECT STORY 01

PROLOGUEプロジェクト概要

観光地としても知られる草津町の下水処理場には、老朽化や陳腐化など、さまざまな課題が顕在化していた。そこで再整備プロジェクトを任されたのがNJSだ。48年続く施設をつくりかえる上で、どんな試行錯誤があったのか。プロジェクトに携わっている3人にお話を伺った。

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  • プロジェクトストーリー
  • 草津下水処理場 再整備プロジェクト
  • K.O 2026/02/19 K.O
    • 東京総合事務所 プロジェクトマネジメント1部
    • 1989年入社(新卒入社)
  • K.G 2026/02/18 K.G
    • 東京総合事務所 プロジェクトマネジメント1部
    • 2016年入社(新卒入社)
  • K.M 2026/02/17 K.M
    • 東京総合事務所 プラント2部
    • 2020年入社(新卒入社)

EPISODE 01

最適な改築方針を、プロの目線で考える。

群馬県北部に位置する、温泉観光地としても有名な草津町。この町の下水処理場を建て替えるプロジェクトが立ち上がったのは、2015年のことだった。プロジェクトリーダーを務めるK.Oはこう話す。

「草津下水処理場は、供用開始後48年、一度も大規模な改築事業が行われておらず、施設全体の老朽化、一部設備の陳腐化、構造物の耐震性能不足など大きな課題が山積していました。さらに、草津町は標高約1,100mの積雪寒冷地であり、凍結融解の影響で、躯体そのものの劣化も深刻な状態でした。このため、処理施設の安全な稼働を継続するために、改築を早急に行う必要があったんです。」

しかし、全面的な建て替えには、当然、莫大なコストがかかる。そこで、まずNJSに任されたのが、最適な改築方針を策定し、妥当性を示すことだった。どんな改築が必要なのか、どれだけのコストがかかるのか。プロの目線で判断することが求められたのだ。

「私たちは、構造物や設備の劣化状況を把握すべく、さまざまな調査から着手しました。当初は、コストを抑えるために既設構造物を耐震補強し、設備を改築するという選択肢もありました。しかし、工事中も処理施設の機能は維持しなければならず、仮設の施設を一時的に設置した場合、コストメリットがなくなってしまうため、断念することにしました。一方、処理場を建て替える場合は、最適な規模で、維持管理性に優れた施設にすることで、トータルコストの圧縮や効率化にもつながると考えたのです。」

さまざまな検討の末、最終的に辿り着いたのは、丸ごと建て替える案。ただ、その先にはまた新たな難題が待ち受けていた。

EPISODE 02

新たな手法への挑戦が、ブレイクスルーに。

施設を丸ごと建て替えるとなると、そのための土地が必要になる。草津町の場合は、既存施設の東側に国有地の山林があったため、厚生労働省に掛け合って、その土地を取得するのが最適だと考えた。しかし、山を切り拓く設計を行うためには、ある難題を解かなければならなかった。

「“建替え用地の設計地盤高をどの高さに設定するか”といった、最適な設計地盤高の設定が大変でした。なぜなら、必要な土地を確保するために、大胆に山を切り拓いてしまうと、膨大な残土が発生し、その処分費用がかさんでしまうからです。できるだけコストを抑え、かつ既存の処理場を含めた維持管理性を考慮した合理的な設計地盤高を導き出す必要がありました。」

こう話すのは、土木設計を担当したK.Gだ。従来のやり方では、山を切り拓いた場合の断面図を何十通りも検討し、それぞれの概算土量を算出していくしかなかったが、ある技術を取り入れたことがブレイクスルーになったそうだ。

「3Dモデリング技術を活用して山を再現することで、数字を入れ変えるだけで、様々な地盤高の組み合わせに対する切土盛土量及び残土量を算出できるようにしたんです。無限に考えられる組み合わせの中から、最適な数値を見つけ出すのは至難の業ですからね。正確な3Dモデルを作るために、切り拓く山に対して現況測量や水準測量を行い、試行錯誤しながら自ら3Dモデル化したのも、今となっては良い思い出です(笑)。その苦労があったからこそ、効率的に検討を進めることができました。」

EPISODE 03

柔軟な発想で、現場に合った解決策を。

用地の取得や施設の配置計画、法的な手続きを終え、いよいよ具体的な実施設計が始まった。機械の設計を担当することになったのが、当時入社2年目のK.Mだ。今回は施設を丸ごと建て替える設計といったこともあり、設計に携わる中で、他工種との連携の大切さを実感したと振り返る。

「下水処理場の設計は、土木や建築、機械設備、電気設備といったさまざまな分野が絡み合うため、他工種との連携が必要となります。たとえば、機械設備を設置するにしても、寸法や配置、搬入ルート、荷重等は土木工種や建築工種との調整が必要ですし、機械設備を動かす電気設備にも影響します。この連携こそが、下水処理場を設計する難しさでもあるが、チーム一丸となって仕事を進め成果品を納めることができた時はやりがいや面白さを感じました。」

また、実施設計を進めるにあたり、お客様からの困りごとをヒアリングした。

「草津町は観光地で飲食店も多いことから、下水に食品由来と考えられる油類が多く流入してしまい、除去作業に苦労しているというお話を伺ったんです。なんとかこれを解決できないかと、制約条件の整理や検討等を行いお客様とも調整した結果、最終的には各要所に油分の洗浄と油分の捕捉ができる設備を設置することに。何かすごいことをやったわけではないけれど、お客様の立場に寄り添えたこと、少しでも現場の負担軽減に貢献できる提案ができて良かったです。」

施設を作って終わり、機械を導入して終わりではなく、現場の課題から向き合う。それが、水コンサルタントであるNJSの存在意義なのだ。

EPISODE 04

難しいプロジェクトも、
技術者の層が厚いNJSなら。

草津町の新たな下水処理場は、2030年頃の完成を予定している。安全性・耐震性の向上はもちろん、維持管理性も格段に良くなると、K.Oは笑顔を見せる。

「今回の全面建て替えに伴い、より効率的な処理方式を採用しました。下水処理では、下水中の微生物を活性化させるために絶えず空気を送り続ける必要があるのですが、新たな処理方式にすることで、空気の供給量を最適にコントロールできるようになり、電気代を大幅に削減することができ、長期的な維持管理費の圧縮につながります。さらにこの処理方式では、管理しなければならない施設の数が減るだけでなく、運転操作も簡単になるため、以前よりももっと維持管理しやすくなります。」

最後に、このプロジェクトを通して感じたNJSの強みについて、K.Gがこう語る。

「じつは、処理場を丸ごと建て替えるというのは、ほとんど前例のないケースでした。それでも着実にプロジェクトを進められているのは、あらゆる分野の専門家が社内に揃っているから。どんな難しい条件でも、力を結集させれば解決できないことはない。その自信が、お客様からの信頼や、下水道分野の売上高No. 1という実績につながっているのだと思います。」

およそ15年にわたる、草津町の下水処理場建て替えプロジェクト。 どんなに難しい条件でも、どんな難題にぶつかっても。時にやり方を見直し、時に創意工夫を凝らして、答えが出るまで考え続ける人がいる。草津町に誕生する新たな下水処理場は、その証として、数十年先まで残り続けるはずだ。

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