A.N
部署 東京総合事務所 流域水防部
卒業 工学部 社会環境工学科 入社 2018年新卒入社
仕事内容

下水道の計画分野を担当しています。市町村などの各自治体は、それぞれに下水道事業計画を国や県と協議して定めており、数年おきに更新しなければなりません。下水道事業計画には、汚水や雨水を処理する区域の面積や下水道管の情報などを記載する必要があり、それらの計算や内容の確認、図面の作成などの計画変更業務を担当しています。また、下水道事業を官民連携事業として行うために、事業の導入効果を検討する業務や事業者となる企業を選定する支援業務も担当しています。災害対策関連の計画では、地震及び水害が発生した際に自治体が下水道に関連する業務を継続するための計画やマニュアルの作成業務も行っています。昨今は豪雨や台風による被害が大きく、浸水する可能性がある地域をピックアップして被害を軽減する対策検討や、下水処理施設が水没しても機能を維持するための耐水化計画の作成など、水害関連業務も多くなっています。
仕事のやりがい

一般的に建設コンサルタント業界は仕事量が多く忙しいと言われています。実際に、繁忙期と呼ばれる10月頃~3月は勤務時間も長くなります。私は就職活動の際に複数の会社説明会への参加、OB/OGへの訪問、興味のある分野の学会への参加などを通して本当に自分が就きたいと思う仕事は何か、よく考えました。その時に真剣に向き合ったことで、仕事に対する覚悟がある程度生まれたため、苦労することがあったとしても、むしろそれがやりがいとなっている部分は大きいです。大変だと感じることはもちろんありますが、何を苦労と感じ、何を喜びと感じるかは人それぞれです。自分の中で目標を持っていれば、自然とやりがいは生まれます。
社会貢献

例えば下水道管を設置する際に、まずは計画担当が設置すべき場所を決め、次に設計担当が下水道管の位置や工法を具体的に決めて設計し、最後に工事を行います。計画してから実際に下水道施設の工事が完了するまで数年かかるため、自分で手を動かして行った仕事内容が、物理的に社会貢献したと実感したことはまだありません。しかし、以前浸水対策関連の業務に携わった際に、浸水シミュレーションなどの結果から浸水被害を軽減する方法を検討し、計画を立てました。私たちが検討、計画した結果として、将来浸水被害が軽減されることを想像すると、とても意義のある仕事だと感じています。下水道施設は基本的に目に見えない場所(道路下など)にあるため、普段生活の中で市民の意識が向けられることはあまりありませんが、「下水道が正常に機能しているのが当たり前」という状況を維持することが、社会貢献に繋がっているのではないかと思います。
役割の重要性を痛感した
耐水化計画業務

下水処理場及びポンプ場の耐水化計画業務が印象に残っています。その業務では、市全域の処理場とポンプ場を対象に、内水(都市の排水能力を超えた降雨によって発生する浸水)、洪水、津波、高潮の4つの水害による浸水深などを確認し、被害が発生する可能性がある施設を抽出しました。下水処理場及びポンプ場が20箇所以上あり、各施設内に建物が数棟あるため、下水処理場とポンプ場内の対象となる建物は、市全域で合わせて101棟となりました。全施設に対して現場調査をし、開口(窓や扉等)の寸法や設置高さを計測する必要があったため、社内の他部所やアウトソーシング先となる協力会社と分担して現場調査を行ったのですが、各担当者の調査結果の整理方法が様々であったため、まとめ作業に手間がかかりました。業務の中の作業レベルですがリーダー的な自分の立ち位置とその役割の重要性を痛感すると共に、成果が出来上がった時には達成感がありました。
学生時代の学び

学生時代は土木工学を学び、河川や湖沼の水質に関する研究をしていました。講義でCADやGISを使用したことがあったので、業務で図面を作成する際に久しぶりにCADやGISを使用しましたが、数年のブランクがあっても操作方法などの理解が早かったと感じます。他にも、実際に研究で深めた知識を仕事で発揮するというよりは、講義や研究で学んだ水理学や水処理工学、Excel・Wordの使い方など、基礎的な土台があることにより業務内容の理解度が上がると思います。学生時代は熱心に勉学に励んだわけではありませんが、今思い返すと役に立っていることがたくさんあります。
上司からの声
- 拡大
- 水道本部 水道3部長
- M.A
私たちの仕事は一言に「下水道」といってもプロジェクトの種類は多岐にわたります。長年、この業界に携わっていますが、お客様も様々であることから、同じ仕事はないといっても過言ではありません。そのような中で、Nさんは一度担当したプロジェクト内の経験を最大限活用して新たなプロジェクトに取り組むようになっています。私たちは会社員であると共に、「技術者」でもあります。多くのノウハウの引き出しをもつことは、社内外の関係者の信頼とプロジェクトの品質向上に繋がります。是非、今後も現在の取組姿勢を継続して頂き、優秀な技術者に成長していただきたいです。