Y.I
部署 九州総合事務所 プラント部
卒業 工学部 入社 2022年中途入社
仕事内容

日本全国には下水処理場や浄水場等が存在し、現在多くの施設で改築・更新が必要となっています。私は、これら施設の電気設備の設計を行っており、主に改築計画の策定とそれに基づく更新設計がメインとなっています。下水処理場や浄水場といった施設にはポンプや送風機、脱水機のような機械設備が数多く存在し、電源供給や運転制御を行う必要がありますが、適切な電気設備がなければこれら機械設備を稼働することができません。また、大規模な施設や無人の施設では、遠方監視する必要があるため、電気設備がなくては、下水処理場や浄水場、その他ポンプ場等の関連施設の維持管理が困難となります。下水処理場や浄水場の電気設備の設計はなかなかイメージしづらいかもしれませんが、水インフラにおいての電気設備は各種機械設備と同様に重要な設備であり、業務を通じ社会インフラへと貢献できる仕事となっています。
仕事のやりがい

下水処理場は汚水を浄化し放流するための施設であり、海や川の環境保全に対して重要な役割を担っています。また、浄水場は地域住民の飲み水に使用されたり工場に配水されたりなど、社会生活に対しての重要な役割があります。水インフラは社会インフラとして大きなものであるため、その影響範囲は広く、責任はありますが、設計した内容が反映されることで多くの人々のためになる仕事だと感じています。また、電気設備は、建物の中に設置し、機械設備を動かすものなので、土木・建築・機械の他工種との調整が必要となり、電気だけの知識だけではなく幅広い知識を持っていた方がスムーズに仕事を進めることができます。まだまだ知識不足ではありますが、他工種のメンバーと助け合い、チーム一丸となって仕事を進め、成果品を収めることができた時は仕事のやりがいや楽しさを実感することができます。
社会貢献

更新計画をしてから実際に上下水道施設の工事が完了するまでに数年かかるため、自分で行った仕事内容が直接的に社会貢献したとはまだ実感できていません。しかし、上下水道施設は、既存の機械・電気設備の更新や、維持管理性の効率化が求められているために、水コンサルタントにおける機械・電気技術者の必要性が増してきている時代の中で、電気担当者として、幅広い施設設計に携われていることに関しては、社会への貢献を感じています。上下水道施設は生活する市民にとって普段目にすることがないため、あまり意識が向けられることはありませんが、上下水道が正常に機能していることが当たり前という状況を維持することが、社会貢献に繋がっていると思います。
発生した課題を解決しながら
進めたプロジェクト

気候変動による降雨量増大に対応するため、既存雨水ポンプ場の能力増強を図るためのポンプ増設設計業務に携わりました。当該業務では、雨水ポンプの能力増強により、消費電力が増大し、既存の受変電設備では容量不足となり、大規模な更新工事が必要となりました。加えて更新工事に伴い、膨大な費用がかかることや工事期間が延伸するといった課題がありました。それらの課題を解決するために、雨水ポンプへの配電を既存の受変電設備ではなく、常用発電設備による配電とする方法を提案しました。受変電設備の大規模な更新工事が不要となり、工事期間の短縮が図れ、工事費用についても客先が想定する予算内に納めることができました。設計の知識やスキルの重要性だけでなく、費用や工程など客先が考える意見・要望をいかに反映させる設計内容とするか、勉強になるプロジェクトであったと実感しています。
学生時代の学び

学生時代は電子工学を専攻しており、修士課程では「レーザ光の波長変換による短波長光発生技術」に関する研究を行っていました。研究内容が仕事に直接活かされてはいませんが、電子回路や論理回路、システム工学等の基本的な電気知識や専門的な分野で活かせています。上下水道の知識に関しては専門外でしたが、参考書や上司、周囲のサポートのおかげで、着々と身につけられていると感じています。会社に入社し学生時代の専攻と同じことができる人は限られており、どの会社に入社しても色々な知識を必要とすることが多いですが、水コンサルタントという仕事は特にその性質が強いと感じています。専門外でも会社では勉強会など手厚いサポートがあるので、積極的に新しいことに挑戦したいという意欲がある人は水コンサルタントをチャレンジしてみるのも良いかと思います。
上司からの声

下水処理施設設計とは異なる業種からのスタートでしたが、様々なプロジェクトに取り組む中、客先との協議では協議資料・内容を自分で考え、説明方法などを上司に確認してから臨むことで、自分自身の技術力を向上させ、入社1年半でかなり成長されたと思っています。まずは、電気設備担当者として、電気・下水処理の基礎技術を習得し、プロジェクトにおける設計条件・要望事項などを整理・抽出できるようになるとともに、プレゼン能力やコミュニケーション能力も向上させ、客先が納得する提案が行えるようになっていただきたい。今後は、今の取り組み姿勢を継続して頂き、若手社員の手本となり、顧客から信頼される素晴らしい技術者に成長して頂きたいと思います。