H.K
部署 大阪総合事務所 プラント部
卒業 理工学研究科 入社 2019年中途入社
仕事内容

仕事内容
プラント部の機械設備担当として、下水道施設に設置されているポンプや送風機、汚泥処理設備などの機器や、機器に付随する配管などの新設および改築の設計を行っています。また、近年では施設全体の省エネを実現するような施設処理フローの見直し提案業務や、汚泥の資源化等の有効利用検討業務なども行っています。送水や、水処理を行うための曝気、汚泥の処理など、下水道処理施設機能の根幹を担うのは機械設備であるため、お客様の要望や施設の運用方法を詳細に把握しながら設計を行う必要があります。また、改築対象となった機器のみの設計を行うのではなく、施設全体の機能や、将来の展望(施設共同化や機能縮小)を考慮した設計が必要となるため、施設をマクロの視点で把握することが重要です。機械設備は近年の技術革新も目まぐるしいため、最新の技術に触れながら設計業務を行うことができます。
仕事のやりがい

お客様へのヒアリング等で挙げられた課題や要望を解決できるような機器や処理方式を提案し、それが採用されたときはやりがいを感じます。また、様々な業務を経験したり、普段から新技術や他事例を学ぶようにしていたおかげで、お客様から急な提案依頼や相談があった際に、即座に有効な技術や、事例を紹介できたときなどは、自身の成長を感じることができます。一方、経験したことのない業務などでは、予備知識がない中で技術動向や最新の行政の方針を確認しながら手探りで業務を遂行しなければならないため苦労も多いです。しかしながら、そのような業務を遂行できたときには難易度の高い業務をやり遂げた達成感と、新しい知識と経験を身につけられた実感を得ることができます。
社会貢献

上下水道は社会を支えるインフラ施設であるため、日常業務がすべて社会貢献につながっていると言えるのですが、浸水等の災害対策のための雨水排水設備の設計は、とくに社会貢献を実感することができます。また、近年では脱炭素がトレンドとなっていますが、下水道施設では、消化ガス発電や、汚泥の燃料化などの資源有効活用が可能であるため、脱炭素社会に貢献する可能性を有した施設であるといえます。新たなシステムを導入したり、処理フローを見直したりすることで、排出CO2を大幅に削減する旨の提案を行い、その提案が採用されたことがあります。現在進行中の案件ではありますが、今後脱炭素に貢献できることが期待されるため、このような設計を行った際は社会貢献を実感できた瞬間であるといえます。まだ記憶に新しい、能登半島地震のような大規模災害のタイミングでは、災害支援として被害規模の調査、災害復旧設計を行うこともあります。
失敗も学びとなった
消化ガスプラントの改築設計

印象に残っているのは、入社後初めて主担当として設計を行った、消化ガスプラントの改築設計業務です。その処理場では消化ガスの処理を行うための脱硫装置の改築時期が来ており、型式変更を踏まえた改築設計が必要でした。脱硫装置は機器費等の経済性ならびに維持管理性の向上が実現可能な、乾式脱硫方式に見直す提案を行い、お客様に採用いただくことができました。ただし、その業務では失敗もあり、配置を予定していた位置が他設備の将来改築予定地と干渉しており、途中で配置を大幅に見直すことになったり、設備の荷重条件を連絡する際に、維持管理車両の重量が漏れたりしていたことで、戻り作業の発生や工期延期など、お客様ならびに他工種にご迷惑をかけてしまいました。その失敗経験により、諸条件の事前整理や作業内容の管理・共有の重要性を学ぶことができたことは、現在行っている業務管理や、設計において非常に役立っていると感じます。
学生時代の学び

学生時代の学び
大学時代における、学会発表や論文の作成において、簡潔かつ理解しやすい文章にするため、推敲し、よりわかりやすく、発表方法を試行錯誤した経験は、お客様へ提案を行うことが仕事であるコンサルタントの業務において活かせていると感じます。もともと私は機械専攻ではなく化学工学専攻だったのですが、「ものごとを論理的に考えること」、「結論を導くためには因果関係を整理すること」などは、理工系職種に関わる共通項ですので、専攻の違いで大きく苦労したことはあまりありませんでした。逆に、化学工学で熱力学を学んでいたからこそ、省エネや汚泥の資源化などにおいては、自分の強みとして活かせていると実感できることもあります。また、私は学生時代ブレイクダンスで海外の大会などにも出場した経験があり、好奇心旺盛にあらゆるものに興味をもち、多少苦労しても何でもやってみたいと思う前向きさが、社会では力になっていると実感しています。
上司からの声

機械担当として、下水道施設設計を主に担当しています。下水処理施設は多数の機器で構成され、下水処理工程も地域によって様々であり、それぞれの特徴を把握し、設計しなければなりません。入社当初から、下水処理技術に興味を持ち、常に技術力の向上を図り、期待以上の速さで成果をあげています。最近では、プラント部の機械グループの取りまとめや若手社員の育成に貢献しています。また、大阪総合事務所内のフリーアドレス化や業務を行いやすくするための活動にも積極的に参加し、業務以外の場での取り組みも評価しています。今後は、今までの取り組み姿勢を継続しつつ、機械設備だけではなく多種多様な知識、客先へのプレゼン能力・コミュニケーション能力を向上させ、社内外から信頼される技術者になることを期待します。