アメリカにおける下水道ホームページのＰＲ度

　インターネットを通じた行政広報の重要性が今後ますます大きくなっていくことは明らかでしょう。わが国の自治体ホームページにおける下水道事業の取り上げ方は、自治体によって濃淡様々で、担当課の分掌事務と電話番号を書いただけの簡単なものもあれば、相当に凝った力作もあります。事業や施設の紹介、下水道の使い方、使用料や受益者負担金の説明、工事のお知らせといった内容が標準的ですが、決算や経営計画等の財務経営情報、業者向けには入札・契約情報、また東京都下水道局のバーチャル下水道のように教育啓発コーナーを設けているところもあります。
　アメリカでも傾向はわが国と同じですが、事業のマスタープランや合流改善、浸水対策関連の計画（Long Term Control PlanやStorm Water Management Planなど）の全文を丸ごと掲載したり、公聴会の様子を一部公開したり、職員が出てきて処理場内の施設の紹介をして回るビデオなど、コンテンツの独自性や独創性には見るべきものがあります。
　経営工学研究所では、諸外国の自治体のホームページで下水道事業がどのように紹介・広報されているか、まずはアメリカをフィールドとして、これは面白い！というページをあたってみました。

コンテンツの豊富さで上位5位をランキングすれば、次のとおりです。

　　　1位　Sacramento County（Sacrament Regional County Sanitation District:以下SRCSD　　　　　　　と略、カリフォルニア州）
　　　2位　DC Water and Sewer Authority（ワシントン市）
　　　3位　Delta Diablo Sanitation District（カリフォルニア州）
　　　4位　Johnson County Wastewater Department（カンザス州）
　　　5位　Hampton Roads Sanitation District（ヴァージニア州）

　また、いささか主観的ですが、内容のPR度で上位3位をランキングすれば、次のとおりです。

　　　1位　Sacramento County（SRCSD、カリフォルニア州）
　　　2位　DC Water and Sewer Authority（ワシントン市）
　　　3位　City of San Diego（カリフォルニア州）

　コンテンツの豊富さとPR度の二つの側面からみて、サクラメント郡（カリフォルニア州）が最もすばらしい出来ばえ、続いてワシントンDCという結果になりました。
　サクラメント郡の下水道HPに掲載された一般向け下水道紹介パンフレットは下のようなものです。シンプルなものですが、きれいでわかりやすく構成されています。



出典URL）サクラメント郡　http://www.srcsd.com/pdf/guidetoservices.pdf

　また、PR度で３位のサンディエゴ市下水道ホームページ（http://www.sandiego.gov/mwwd/）の子供向けコーナーは独創的で楽しく、飲める下水ジュースや食べられる汚泥ケーキの作り方のレシピを載せたりしています。


出典URL）サンディエゴ市 http://www.sandiego.gov/mwwd/kids/index.shtml